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海外旅行の出発前、持病のある人は。


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心臓などに持病のある人や糖尿病の人、または普段から人工透析を受けている人などでも、海外旅行を楽しむことはもちろん可能です。

欧米には、持病をものともせずに、海外旅行を余裕を持って楽しんでいる人も、たくさんいます。

ただし、その実現のためには、以下に上げるような一定の事前準備が必要になります。

「備えあれば憂いなし」の精神で、以下をしっかり準備してから、楽しい海外旅行へと出発することが大切です。


(1)まずはいつもの病院で検査を済ませ、かかりつけの医師に相談する。

海外旅行に行く前には、いつも通院する病院に行き、海外旅行の行き先と日数、想定される状況などを説明し、かかりつけの医師からアドバイスを受けておくことが絶対に必要です。

また、事前に専門書などを読み、旅行先の食事・行動その他において、自分の病気の症状の改善のためには何が良いのか、逆に何をするべきではないのか等についても、自分なりによく勉強しておくことがよいでしょう。

もっともこれは、旅行に限らず、生活全般でも必要なことですね。

そして、旅行の雰囲気をこわさぬよう、あらかじめ一緒にいく家族やツアーガイドさんにも必要な範囲で話し、さりげなく協力をお願いしておきましょう。

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(2)常備薬は、余裕をみた分量を、保管場所を分散した上で持参する。

海外旅行先にもよりますが、欧米諸国であれば、たいていの薬品は市販されているようです。

しかし、それらの薬が本当にあなたの普段使っている常備薬の代わりを果たせるものなのか、また分量的にはどうか、といったことなどについては、言語も異なることですし、正確に判断できないケースも多いはずです。

ということで、万一のトラブルなどによって帰国が遅れる場合に備え、持病のある人は、旅行日程分に一週間前後の予備日数分を加えて、使い慣れた常備薬を余裕をみた分量で持っていきましょう。

加えて、盗難などによる紛失も念のため想定し、持参した薬は一カ所に集中させず、保管先を分散して持っていくことが大事です。

家族が同行される場合は、家族のスーツケースにも、ある程度分けて入れておいてもらいましょう。


(3)旅行用の英文カルテや英文処方薬リストを作成し、複数枚数を持参。

海外で持病が繰り返したり、または、心筋梗塞の発作など一刻を争う症状が発生した場合は、大至急救急車を呼んだり、病院に搬送したりする必要があります。

不幸なケースですが、言葉が通じないということからくる躊躇のために、それらの手当てが遅れ、大事に至った場合も実例としては少なくありません。

第一の対応としては、緊急時にはとにかく、救急車を呼んだり、病院に連れていって医師に診せることを最優先しなくてはなりませんが、そのときに役に立つのが、その人の既往歴や日頃の症状・普段飲んでいる薬のリストやアレルギーの有無などを記した、英文カルテ(国際標準英文診断書)です。

欧米では、旅行慣れした持病の持ち主は、旅行の短期・長期にかかわらず、必ずと言っていいほと持参していると言われています。

英文カルテの作成は、かかりつけの医師に依頼し書いてもらうことになりますが、主治医が作成した日本語のカルテをもとに、専門の医師が正確な翻訳版を作ってくれるサービスもあります。

オブベースメディカ」というところが有名で、日本語の診断書をもとに英訳した、英文カルテを2週間くらいで作成してくれます。

同様に、血圧や心臓病、糖尿病などの薬を普段医師から処方され常用している方は、英文の処方薬リストがあると、いざというときに安心でしょう。

海外では、薬の誤った処方や投薬による裁判沙汰も決して珍しくないことから、医療情報がはっきりしない患者に対して、積極的な投薬・治療などを嫌がる場合があると言われてます。

いざというときに、用意してきたこれらのリストを提示することで、持病のある人の状況を素早く把握できることから、治療をする側もされる側としても安心感が高まることでしょう。

また重要なのは、「これらのカルテやリストを持っているのが本人だけではダメ」ということです。

万一、自分が倒れてしまったら、それらカルテの在りかがわからなくなる…ということではいけませんよね。

ツアーガイドさんなり同行者なりにイザというときにすばやく対処してもらえるよう、彼らに控えのコピーを渡したり、その存在場所を教えておくことも、大事です。


(4)海外旅行保険がどこまでカバーしてくれているかを、事前にチェック。

海外旅行保険にも入ったし、ろくに中身も見ずに、これでもう安心…などと、思ったりしていませんか。

海外旅行保険は、歯の治療や妊娠と同じく、「持病の悪化」に対しては保険適用されないものが、実のところ大半なのです。(AIUが唯一、持病をカバーする旅行保険を、用意しているようです。

ただし、あまり知られていないことですが、日本で国民健康保険社会保険に加入していた場合、帰国後に手続きをすることにより、「海外医療費の保険給付の還付」が受けられる場合があります。

国内同様に一定の自己負担分は除かれ、また治療費は日本独自の診療報酬計算で再計算されるなど、支払った治療費を全額そのまま還付してもらえるということではないのですが、それでも十分ありがたいですよね。

これらの還付手続きは、自らの申請によってのみ、払い戻しを受けられます。こういったこともぜひ、頭の中に入れておましょう。


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